早朝の出会い

見知らぬ男性が駐車場に

きょうの早朝、出社の際に思いがけない出会いがありました。時刻は午前6時45分。いつも通り車庫のシャッターを閉め、会社の駐車場を歩いていると、作業服姿の見知らぬ中年男性が立っていました。こんな朝早く、しかも社の敷地内に一人佇んでいる様子に、何か事情があるのだろうと思い声をかけてみました。

すると、「山内が開くのを待っているだけです」との返事。さらに話を聞くと、カギをなくして部屋に入れず、山内興産が開くのを待っていたとのことでした。事情を理解し、「私は山内興産の者です。今から開けますよ」と伝え、事務所までご案内しました。ところが、その方の部屋は当社管理ではなく、別の会社の物件でした。

生きる強さを感じる

それでも男性は落ち着いておられ、「やっぱりね」と苦笑しつつ、該当の不動産会社に向かうことに。私はその方を車で送りながら、彼の話に耳を傾けました。

彼は解体工で、大阪で働いて今朝小倉に戻ってきたとのこと。小倉で働いても日当8,000円。大阪だと13,000円になるので日当の差が理由で大阪に渡り、西成の簡易宿で暮らしながら仕事をしていたとのこと。そして昨夜、小倉に戻るため夜行バスに乗る前、スーパーに寄った際置き引きにあってボストンバッグごとカギを失ったとのこと。警察に届けはしているとのことでした。

目的の不動産会社に到着し、別れ際に「出てくるといいですね」と声をかけました。すると、「いいや、出てこないっすよ。でも送ってくれてありがとうございます。」その姿に、現代の生を懸命に生きる人間の強さと哀しみを感じました。そして手を振りながら、「ガソリン使わせてゴメンネ~」と笑顔を見せてくれました。

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