子供に戻った日

全部捨ててください 

今日は知人の相続物件の訪問査定でした。

最近お父様が亡くなり、お母様は施設に入られたとのこと。

物件内部は殆ど手つかずの状態と聞いていましたので、遺品回収業者と同行で物件に行きました。聞いていた通り物件内部は住んでおられたそのままの状態でした。

売主は「この荷物は全部捨ててください。末吉さんに任せます。何も考えないでいいですから。」と言ってその場で荷物の撤去の見積もりも頼まれました。

高価そうな置物や絵画、マッサージチェア、箪笥にはたくさんの着物、いろいろ有りました。

私は「これ全部捨ててよろしいんですか?」と確認したら「持って帰っても置くところ無いから大丈夫です。売ってお金になるのなら好きにして。」と全く未練が無い感じでした。

「かしこまりました。もしお金になる物が有ったら撤去費用から差し引いてもらいましょう。」と言って業者に見積もりを依頼し、各部屋の点検を始めました。

お宝発見

書斎に入ると正面に立派な木製のテーブル。その上にはゴルフの優勝トロフィーと盾が置いてあり、横の壁には作り付けの本棚。そして反対の壁には数々の表彰状や感謝状、免状などが額に入れて飾ってありました。

私はたまたまその中の一つのお父様直筆の書「家宝」に目が留まりました。

瞬間的に「これは!」と思って売主を書斎に呼び「これも捨てますか?」と尋ねました。「あっ!これは捨てられん。これだけは持って帰る!」と言って壁から大切に外されました。「末吉さん、気付いてくれて良かったよ」と言われ、まるで宝物でも発見した子供のような嬉しい気持ちになっていました。

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