解体更地打合せ

増築前は自転車屋

今日は午後から物件の解体更地の打合せのために、所有者と現場で打合せをしました。建築士のスタッフも同行で二名で向かいました。現場は戸畑区の商業地域にある古い一戸建です。現地には所有者と所有者のご主人のお二人で来られていました。最初敷地の外周から見て回りました。その後建物の内部を案内してもらい寸法を測っていきました。
玄関から上がって右横の部屋が和室になっていたのですが、その部屋に入ったとき「ここから増築されたのですね。」と同行したスタッフが言いました。すると、ご主人さまが「そうそう、ここから増築したね。」すると、奥さまが「姉がここを買う前は田中自転車って、自転車屋さんだったのよ。」

なるほど、最近は見なくなったけど、むかし小さな自転車屋さんって街の中にあったなと、子供のころのことを思い出しました。前面道路のならびには、美容室の看板だけが残っている二階建ての建物や、平屋の古い家が並んでいたり、虫食い状に駐車場がありました。多分50年くらい前は賑やかな通りだったのだろうなと思いました。

このお人形あげるよ

建物のなかに案内してもらい、家の中にある家具やテレビ、家電などの撤去費用を見積もって欲しいということでした。ご主人がふいに「この人形あげるよ。持って帰り。」と、棚の上に飾ってある人形を指さしておっしゃいました。真っ赤なドレスを着たフラメンコを踊っている人形でした。「これは俺がスペインで買って姉さんに送ったんよんよ。」
お聞きしたところ、いまは引退されたのですが、船乗りで機関士として働いておられたとのこと。一旦出航すると10か月から1年ほどは戻ってこないそうです。

なるほど、若いころの思い出がのこるフラメンコ人形。これは捨てれない。
相続物件に立ち会うと、このような話を言われることはよくあります。しかし置く場所がなくて、持って帰ることはありませんでした。断りにくい雰囲気を出しながら、「・・・むりです」を伝えました。

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