銀行担当者

自己紹介から

本日、銀行の営業担当の方が挨拶に来社されました。四月に着任されたとのことでしたが、なかなかお互いの予定が合わず、本日ようやくの顔合わせとなりました。
応接室にて型通り名刺を交換し、簡単な自己紹介を交わしました。そして何気なく自分の生い立ちや普段の仕事の話をして、私の年齢が五十八歳であることを伝えました。
すると相手は四十五歳とのことで、就職氷河期の世代で、ちょうど銀行が公的資金の注入を受けていた激動の時代に就職したことを打ち明けられました。


私は、「私はバブル世代です」と率直に語りました。その頃の就職事情について、少し触れましたところ、彼は「土地神話の時代ですよね」と返されました。
その言葉に、私は少しばかり胸を突かれた気がしました。確かに空前の売り手市場で、就職することには特に困ることはありませんでした。

誠実さと謙虚さを感じた

話題は現代に戻り、トランプ関税の行方へと移りました。私は、金融の現場にいる方の視点で、今後の経済の見通しを尋ねてみました。
しかし彼は「小倉地域の金融については、情報を持っているのですがマクロの視点で経済を論じるのは専門外ですが・・・」と前置きしたうえで、しばらく沈黙されました。
そのあと少しの沈黙のあと、間をおいて出てきた言葉が・・・「どうなるのでしょうかね」とだけ静かに語られました。

わたしは、世間話の雑談をしたつもりで聞いただけで、「そうですねぇ、株価も乱高下するし、輸出企業は大変ですよねぇ」くらいの返事がきて一般的な会話の流れになるだろうと思っていたので、拍子抜けしました。
まじめな顔でボソッと語れる控えめな姿勢の中に、彼の堅実さと誠実さが滲み出ていて好印象を持ちました。

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