ビジネスホテルの仲介
先日、商談中だったビジネスホテルの仲介案件が、一度は破談となりました。順調に売買契約へと進んでいた矢先、売主側で予期せぬ問題が起こったのです。
今回の売主は、ホテルの経営者と、その親戚関係にある二人。ひとりはホテルの建物と土地の所有者、もうひとりは隣接する駐車場部分の土地のオーナーでした。
ホテル経営にはどちらの土地も欠かせないため、両者の合意が不可欠でした。しかし、話し合いの途中で意見の食い違いが生まれ、関係が悪化。おとといの段階では「もう修復は難しい」との連絡を受け、私自身も残念な思いでいました。不動産の世界では、こうした「ドタキャン」は珍しくありません。お金の問題で解決できることもあれば、人間関係のもつれが原因で流れてしまうこともあります。今回はまさに後者でした。
180度変わった二日間
ところが本日、まさかの展開がありました。なんと、あの二人が急遽和解されたというのです。まるで奇跡のようでした。理由はわかりませんが、「お互いに理解し合えたので、もう一度仕切り直したい」との連絡をいただきました。
この出来事を通して感じたのは、不動産の仕事は「結果がすべて」である一方で、人の心の動きに大きく左右されるということです。
数字や契約の裏には、いつも人の想いがあります。今回の一件は、改めてその原点に立ち返る大切な機会となりました。