帰ろうとしたその時に一本の電話
きょうの夕刻、まもなく仕事を終えようかという頃、一件の電話が入りました。先日ご契約となった売地の件で、買主さまから「現地を確認したところ、境界のピンが4つ見当たらないのですが…」とのご連絡でした。
測量は売主さまのご負担で、当社が紹介した信頼ある測量士に依頼したものです。まず測量士がピンの設置を怠ったとは考えられません。写真が添付された図面が手元にあります。
「何者かが敷地に入り、持ち去ったのか」という疑念。しかし境界ピンを抜いたり移動させると刑法犯罪となります。これもあり得ない話。単なる買主様の思い違いかも?
わたしも担当スタッフも事情を把握することができなかったのですが、まずは売主さまに買主からの一報をお伝えしました。
ピンが消えた理由が判明
物件は会社から車で五分の距離にあり、ひとまず現地を確認に行くことにしました。売主様も物件のすぐ近くに住んでおられるので現地に来ていただくことになりました。ついに現地に来てみると一瞬で真相が明らかになりました。道路面の反対側が崖になっていたのですが、そこにかつて敷地を囲っていたブロック塀がありました。そのブロック塀に境界ピンが埋め込まれていたのですが、解体更地渡しという契約条件のもと、売主さまが依頼した解体業者がその塀ごと撤去していたのです。
つまり、境界ピンはブロックと共に消えていたのでした。真相が分かれば、すべてが自然に腑に落ちるもの。売主さまも事情をご理解いただき、改めて測量士にピンの復旧を依頼することとなりました。
買主様のご心配も解消され一件落着となりました。「境界ピンが無い」というあり得ない話が実際あるのだという一つの事例を学びました。