はじめに
転勤の辞令が出て、マンションを売却しなければならない。
そんな状況で、内覧が全く入らず焦っているという方は少なくありません。
特に引っ越しまでの期限が迫っている中で、売れなければ住宅ローンと転勤先の家賃の二重負担という厳しい現実が待っています。相場よりも安く売り出しているのに、なぜ反響がないのか。値下げすべきなのか、それとも他に打つ手があるのか。
このような切実な悩みを抱えている売主の方々に向けて、値下げ以外の具体的な戦略をご紹介します。
実は、内覧が入らない原因は価格だけではありません。
代表:末吉広告の質、媒介契約の形態、業者の対応など、改善できるポイントは数多く存在します。焦って値下げする前に、まずは今の売却活動を見直してみましょう。
よくある相談事例を紹介
実際にあった相談事例をご紹介します。
築19年、3LDK、70㎡のマンションに住んでいる方からのご相談です。
ローンの残りは1,400万円で、近隣の同じようなマンションは4,800~5,000万円程度が相場となっています。ご自身のマンションは4,700万円で売り出し中で、相場よりも安く設定しているつもりでした。
しかし、引っ越しまで残り3ヶ月という状況でまだ内覧が入っていません。
もし期限までに売れなかった場合、住宅ローンと転勤先の家賃の両方を支払うしかないのですが、そんなに貯蓄がないとのこと。とにかく早く売却したいが、金額を下げる以外に何か戦略があれば教えてほしいという、非常に切実なご相談でした。
このような相談は今非常に多く寄せられています。
居住中での売却ということで内覧につながりにくいという側面はありますが、このままでいいのかという不安は当然のことです。
代表:末吉転勤までの時間的プレッシャーと経済的な不安が重なり、精神的にも追い詰められている状態だと言えます。
内覧が入らない本当の理由
相場よりも安く出しているのに、なぜ内覧が入らないのでしょうか。
この事例では、築19年の70㎡、3LDKで近隣の相場が4,800~5,000万円程度なのに対し、4,700万円で売り出しているため、ご本人としては高く出している気はないはずです。むしろ相場よりも安く出しているという感覚を持っていると思われます。
だからこそ、この状況で値段を下げることには抵抗があるでしょう。
それに、内覧が来ていれば話は別ですが、全く内覧がない状態ではどこまで下げたらいいのかも分かりません。
問題は、広告が市場に刺さっていないということです。
その広告自体が魅力的であれば、値段が安かったら「お買い得だね、見てみたい」という反響につながります。たとえば、見晴らしが良さそうなマンションの10階だったら「行ってみよう」と思ってもらえるかもしれません。
居住中であっても、きれいに整えて住んでいることが伝われば「多分お部屋きれいなんだろうな」と好印象を持ってもらえます。つまり、見に行きたいと思わせる何かがあるはずなのに、それが表現できていない、伝わっていないという可能性が高いのです。
一般媒介契約の場合は業者の本気度が低い
今、一般媒介契約でしょうか、それとも専任媒介契約でしょうか。
もし一般媒介契約だった場合、業者のやる気や本気度がそがれるという話があります。
なぜなら、自分が一生懸命やっても他社が案内して決まったら報酬はゼロになってしまうからです。専任媒介契約であれば、他社が決めても仲介手数料を売主様からいただけるという安心感があります。
そのため、一般媒介の場合、その業者がネット広告を「とりあえず出しとけ」という感じで対応している可能性があります。
代表:末吉しかも居住中だからと、外観と共用部だけの写真しか載せていないということもあり得ます。
ネット広告の写真の質が低い
中を見せるにしても、写真が暗いというのは見せないほうがいいレベルです。
実際にそういった写真も時々見かけます。
また、居住中でよくあるのが生活感が出過ぎている写真です。
トイレットペーパーがダラーンとたれていたり、タオルがぐちゃぐちゃになっていたりといった状態では、見せないほうがマシです。そういった「とりあえず」というやり方でネット広告が出ていて、それを見た買主が「見てみたい」という気持ちが起きないのです。
手抜きではないのかもしれませんが、とりあえずという仕事ぶりが反響につながらない原因になっていることは、経験上よくあります。
専任媒介でも要注意の「囲い込み」
専任媒介契約をしている場合でも怖いのが囲い込みというやつです。
実際のところは反響が来ているのに、その仲介業者が「ちょっと今買い付け入ってます」「売主さんの都合で今ちょっと売り止めになってます」と、いい加減なことを言って他社からの問い合わせを断っている可能性があります。
これは、自分のところで反響を取って、自分のところに来たお客さんだけを案内しようと待っているという状態です。
これはやってはいけない行為で、今は宅建協会でもかなり厳しく、囲い込みが発覚したときは厳重注意や警告を受けるようになっています。しかし、実際にはまだ行われているケースがあるため、注意が必要です。
値下げする前にできること
値下げを検討する前に、まず以下の点を見直してみましょう。
媒介契約の見直しをする
一般媒介契約の場合、専任媒介契約への切り替えを検討してみてください。
専任媒介にすることで、業者の本気度が上がり、より積極的な売却活動が期待できます。
ただし、専任媒介でも囲い込みのリスクがあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。信頼できる業者かどうか、他社からの問い合わせにもきちんと対応しているかを確認しましょう。
ネット広告の質を向上させる
写真の質は非常に重要です。
暗い写真や生活感が出すぎた写真は、購入意欲を大きく削ぎます。
明るい時間帯に撮影し、室内を整理整頓してから撮影することが大切です。トイレットペーパーやタオルなどの生活用品は写らないように片付け、できるだけすっきりとした印象を与えるようにしましょう。
外観や共用部だけでなく、室内もきちんと見せることで、購入希望者の興味を引くことができます。
居住中であっても、きれいに整えられた部屋の写真は大きな訴求力を持ちます。
管理状態と財政状況の情報を整理する
築19年のマンションを買う人たちが考えるのは、このマンションの管理の状態です。
「そろそろ修繕積立金が値上げされるんじゃないか」といった不安感があるわけです。買った後の費用についての懸念を持っているのです。
こういったところを整理しておいて、管理の状態や管理組合の財政状況も含めて営業マンの方に伝えておくことが重要です。
修繕積立金の状況、大規模修繕の予定、管理組合の運営状態などの情報を明確にしておくことで、買主の不安を軽減できます。
売却理由を明確にする
売主がどうしてこの物件を売らなければいけないのかという売却理由も、内覧の時や反響の時に聞かれることがあります。
転勤という明確な理由があるのであれば、それをきちんと営業マンに伝えておきましょう。
管理の状態や財政状況、そして売主の売却理由といったところを営業の方がしっかりと把握しておくことが大切です。
囲い込みをチェックする
専任媒介契約を結んでいる場合、本当に反響がないのか、それとも囲い込みをされているのかを確認する必要があります。
定期的に業者に問い合わせ状況を確認したり、知人に別の不動産会社から問い合わせをしてもらったりするなど、実際の対応をチェックしてみることも一つの方法です。
それでもダメなら価格調整を検討
上記のような対策をすべて行ってもダメなら、申し訳ないけど価格調整になる可能性はないとは言い切れません。
ただし、価格調整をする場合もいきなりドカンと下げるのではなく段階的に行うことが重要です。
たとえば、今4,700万円だったら次は4,590万円とするなど、約100万円程度の調整をしてみましょう。
これだけでもけっこう下がった感じがしますよね。そうすることだけでも、ネットの反響がガラッと変わってくる可能性があります。
価格を少し調整するだけで、検索条件に引っかかりやすくなったり、「お買い得」という印象を与えたりすることができます。大幅な値下げをする前に、まずは小幅な調整から試してみることをおすすめします。
反響がないのは市場からのメッセージ
ここで一番大切なことをお伝えします。
今現在反響がない、内覧が来ないというのは市場の反応そのものなのです。
何かをしないと、このまま待っていてはいけませんよというメッセージとして受け取ってください。
もう一度査定し直すというのも大丈夫です。
4,700万円がひょっとしたら高すぎるということを疑いたくはないでしょうが、本当に金額が高すぎるのかもしれません。早く金額調整した方がいいという可能性もあります。
何でもいいので、まずは行動を起こすことが重要です。
今媒介契約を結んでいる業者に相談するのはもちろんですが、セカンドオピニオンとして別の専門家に相談することも検討してください。
今現在どんな広告を出しているかというURLを送れば、専門家なりの見立てや回答をもらうことができます。それを聞いて、今媒介で頼んでいる方に注文してみるのも良い方法です。
まとめ
もし今の売却活動に不安がある、どこを改善すればいいか分からないという方は、信頼できる専門家のセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。
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少しのヒントで改善できることは必ずあります。
焦らず、しかし着実に、今できることから始めていきましょう。



